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市長の手控え帖 No.59 「埋もれた歴史を見直す」

市長の手控え帖

「八重の桜」が前半の佳境を迎えている。慶喜にハシゴをはずされ、徳川宗家の代わりに維新の血祭りの標的にされた会津。運命のいたずらと政治の非情さに痛めつけられる。義に死すとも不義に生きずと、戦いを決意する。決戦の地はどこか、それは奥州の関門白河。白河口での戦いの模様が先月2週にわたり放映された。

綾瀬はるかさんと西島秀俊さんが、4月20日白河に来られた。南湖での桜の植樹や市民会館でのトークショーでは、これまで見たこともないような人の波。はるかちゃん、西島さんと黄色い声が飛び交う。素顔のはるかさんはとても魅力的だった。白い肌に大きな目。無雑作に結わえた髪。すらっとしたスタイル。清潔さと可愛い色気が折りあっている。話していると微妙にズレる。普通はズレるとすっきりしないものだが、心地いいから不思議。女優としての将来性を感じさせる。

誰かの雰囲気に似ている。大器といわれながら、若くして亡くなった夏目雅子。「瀬戸内少年野球団」の清らかさ、「鬼龍院花子の生涯」の汚れ役、「時代屋の女房」の謎めいた女。演ずるごとに芸域が広がり大スターの予感がした。何となく、喜劇をやらせたら面白いと思った。笑わせるのは泣かせるより難しい。それもドタバタ爆笑ものより、思わずくくっと笑いが出るものはさらに難しい。本物の喜劇を演じられる役者は一流。はるかさんの茶目っ気のある明るさと微妙なズレは、ぷっと笑いを誘うように思える。

さて、仙台・二本松・棚倉藩から2、500を超す兵が白河に集まる。中核は西郷頼母率いる会津で、新選組斎藤一らも加わる。歴然たる銃砲の差や、実戦経験の違いもあり敗れた。その後、小峰城の奪回を図るも失敗。100日にわたる戦いで千人もの死傷者が出た。肝心の白河に続き二本松も落ち、越後・日光口も突破され会津は丸裸。会津が戦場となった時点で勝敗は決していた。戊辰の戦いの帰趨は白河で決まったといえる。

しかし、白河のことは知られていない。同じく要地であった長岡の戦闘は、河井継之助という異能の家老を通し、司馬遼太郎が光をあてた。白河藩はこの時点で存在しなかった。直前まで老中に任ぜられていた阿部正外が、神戸開港時の不手際を指弾され、解任のうえ棚倉に移された。城主不在の中、主戦場になったことが要因のひとつかもしれない。また民衆レベルでも、広く語り継いでこなかったように思える。私達も小中高を通し、教えてもらった記憶はない。とても残念である。今、小中学校の授業で「白河の歴史再発見」を取り入れ、郷土の歴史や文化を教えている。故郷を知ることが日本を知ることになる。

二本松少年隊のことも知られていない。二本松藩は、小峰城を築いた丹羽長重を祖とし、尚武の気風を誇る。この時、主力が出はらい老兵や少年を中心に軍を編成していた。砲術に自信のある少年隊は勇躍迎え撃つ。だが多勢に無勢。15歳にも満たない少年兵は次々と撃たれる。会津白虎隊にも劣らぬ悲劇がここにあった。

会津藩でおとしめられているのが西郷頼母。松平容保の京都守護職就任に強く反対したことが大きい。三尺ダルマとあだ名され、背は低いが気合十分。年も5歳上。過激志士が暴れ京の治安は乱れていた。「この時勢に難局に当たるは、薪を背負い火に入るようなもの。殿は会津を潰すおつもりか。養子故にかような振舞いに及ぶのですか」と舌鉾鋭くせまる。

そもそも西郷家は藩祖保科正之の分家筋にあたる。会津を愛する心は誰より強い。容保より自分が正統と考えたとしても不思議はない。しかし容保は、会津は将軍家と存亡をともにすべしとの家訓を盾に抑え込む。頼母も引かない。守護職一年後に「もうよろしいでしょう」と辞任を促す。4年後、迫りくる敵を前に、多くが主戦派の中、講和を主張する。

何をもって忠義とするかは難しい。人それぞれに忠義あり。主君に無条件で従うのも忠義。民・領地があってこその藩であるとし、危機を招く行為に盾つくのも忠義。逆名利君。主君の命であろうとも、それが藩の為にならないとすれば堂々と逆らう。冷視に耐え、頼母は四囲の状況を見極め、家訓よりも藩の安泰を上位に置いた。真の忠義の士というべきか。

西郷家も悲劇にあう。妻千恵子や母、娘ら21人が自刃。藩の邪魔になるまいとの心は痛ましい。千恵子の辞世も胸をうつ「なよ竹の風にまかする身ながらも たわまぬ節はありとこそ聞け」。頼母は大きな悲しみの中に明治を生きた。日光東照宮の禰宜も務めたが、そのときの宮司は容保。頼母の胸中はどうだったろうか。

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