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市長の手控え帖 No.60 「石油の国からの贈りもの」

市長の手控え帖

「カタールフレンド基金」から白河市へ、約6億6千万円の助成が決まった。この基金は、カタール国首長が、大震災の被災3県の復興に使って欲しいとの趣旨で提供した1億ドルが原資となっている。「教育」「健康」「水産業」に限定し、復興に役立つプロジェクトを支援するとの内容。しかも、効果が明らかで、将来にわたり地域の振興に寄与するものとの条件つきである。県を通し照会があり、白河市はいち早く手をあげた。放射能を心配し屋外での遊びを控える子ども、市内や浜通りから避難し不自由な生活を送っている方々等、住民の健康保持や交流を図るため健康スポーツセンターを新設し、陸上競技場と国体記念体育館を改修する。

協議が始まった。でもハードルはかなり高い。目的は、効果は、復興との関連はと厳しい質問が続く。文書はすべて英語でのやり取り。担当者は受験勉強のときのように、辞書を片手にねじり鉢巻。昼夜粘り強く対応した。4月半ば、いつもより早く満開となった桜の中、大使館員一行が白河を訪れた。最終判断をするためだ。私は被害や復旧の状況を説明し、施設の整備が復興のシンボルになると、採択を強く要望した。一行は総合運動公園のほか、仮設住宅や小峰城を視察。古城を彩る爛漫の花に感嘆の声をあげていた。

6月5日、覚書を交わし、26日カタール大使館で調印式が行われた。応募71件のうち採択は3件。地方自治体は白河市のみで、ほかは東北大学や全国規模の公益法人だった。来年12月までの完成を目指し、急ピッチで作業にとりかかりたい。

カタールとはどういう国か。サウジアラビアから小指のようにペルシャ湾に突き出した半島で、静岡県ほどの面積に170万人余りが住む小さな国。大部分が平坦で不毛な砂漠。かつて産業といえば、漁業と真珠ぐらいしかなかった。それも1920年代から日本の養殖真珠が出回るとカタールの天然真珠は一気に衰退。ところが神の恵みか、1939年、半島に石油が発見。1960年代にも沖合に大油田が次々と見つかり国有化された。また世界最大級の天然ガスも確認され資源大国となった。その結果、一人当りのGDP(国内総生産)は世界第2位。所得税はなく、医療費・電気代などは無料。

首都はドーハ。ワールドカップサッカーアジア予選で、日本がロスタイムでイラクに追いつかれ、初出場を逃した「ドーハの悲劇」で有名になった。大規模な再開発が進み、高層ビルが林立する超近代都市。カタール大学はじめ多くの大学があり、アメリカの6つの有名大学もここにキャンパスを持つ。東北大学とも相互研究を行うなど、教育には特に力を入れている。地下資源が枯渇することを見越し、世界に通用する人材の育成を目指す。また、潤沢なオイルマネーを背景に世界屈指の金融センターとしての基盤を整え、金融資産の投融資で富を蓄える。

ドーハにアルジャジーラという衛星テレビ局がある。中東の情勢に加え、アルカイダの情報や戦争実況まで伝え「中東のCNN」といわれる。欧米と違った視点での報道は存在感を増している。このテレビ局も、首長のお金で設立された。

ビラール大使はチャーミング。2度お会いしたが初めは、がっちりした体つきに口ヒゲ、ほりの深い顔と鋭い目にいささかたじろいだ。握手し座ると雰囲気が一変した。低めのやわらかな声が耳に心地いい。時折いたずらっぽい目をし、面白い冗談をまじえる。上等な濃紺のスーツに赤のネクタイとポケットチーフ。長くイギリス領だったせいか着こなしがいい。ユーモアと機知に富んだ外交官だ。

日本への支援には理由がある。大規模な天然ガスが見つかったのは1971年。しかし輸送のためのパイプラインや道路などが整備されず、手つかずの状態だった。1980年代後半になり、日本企業が開発に加わり実用化に弾みがついた。採取が始まり、世界に売り込みを図ったがそう簡単に事は運ばない。各国が渋るなか、他にさきがけて購入したのが日本の中部電力だった。カタールはたいそう嬉しがり、日本に格別の恩義を感じたという。このことが今回につながっている。また高い技術を持ち、高品質の工業製品をつくる日本人への評価は高い。大使は、これからも様々な方法で支援していきたいという。小さな国の大きい志に感謝したい。

情は人の為ならず。日本は、開発途上国への技術や教育援助を、惜しむべきではない。その国が成長すれば、経済や文化を通して良好な関係を築ける。「出世払い」でいいとの度量を持ち、未来のある国々と、真摯につきあうことが大事だと思う。

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