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市長の手控え帖 No.73 「ゆるキャラはなぜもてる」

市長の手控え帖

今月末白河で、ご当地「ゆるキャラ祭り」が開かれる。昨年は10万余の人で賑わい、小峰城前は黒山のようだった。今キャラクター文化は大盛況だ。ブームに火を付けたのが「ゆるキャラ」。ご当地の歴史伝統や特産物を、どこか間のぬけたような、かわいい体型や顔つきにシンボル化したもの。代表格が、彦根城400年祭のマスコットとして人気を博した「ひこにゃん」。次に県をあげて売り出し、経済効果も大きい「くまモン」。これに続けと今治市の「バリィさん」、佐野市の「さのまる」らが競う。船橋市の「ふなっしー」は非公認だがハイテンションのしゃべりと機敏な動きで急上昇。愛くるしい「しらかわん」もイベントに引っ張りだこ。

キャラクターとは、小説・漫画・アニメ等に登場する人間や動物を変形・誇張させ、擬人化したもの。鉄腕アトムに始まり、ハローキティ、ポケモン、アンパンマン、トトロらは、国民から愛され、世界でも受け入れられている。今や輸出戦略の一翼も担っている。

考えてみれば、日本はキャラクターの宝庫であり、生活に深くとけこんでいる。森下の仁丹、足袋の福助、森永のエンゼル、不二家のペコちゃんなどは脳裏に刻まれている。最近は、威厳を保とうとする滑稽な父親を犬にしたり、家族がきのこ帽子をかぶる奇抜さで目をひくIT企業もある。

日本人のキャラクター好きはどこからくるのだろう。まず、動物や植物はもちろん、山・川・湖・石、この世のすべてに霊魂があるとするアニミズムがあること。人でないものに感情移入し、人に見立てることへ抵抗がない。大陸から入った仏教も、アニミズムと融合し、独特の形態になったと言われる。

また、言葉を大事にする民であるが、言葉をシンボルに置き換えて意思を伝えるのも得意。仏教には知の体系と立派な教典がある。でもなかなか、民衆に伝わらない。そこで大きい役割を持ったのが仏像や絵画。踊りながら念仏を唱える一遍、ひたすら念仏を唱え救われるとした親鸞、辻々で生きることの意味を説く日蓮。いずれも五感に訴え、かつ極めて分かりやすい教えで支持を得た。

日本人は、白黒をつけず、ふぁっとした空気の中で衝突や摩擦を避ける知恵を持つ。ものを視覚的に象徴化したり、“あいまいさ”を良しとする土壌が、非言語的コミュニケーションを発達させたように思える。

日本人はゆるさやアンバランスを好む。ゆるキャラは頭が大きく胴長で、子どもに近い。これが親しまれる要因になっている。明治の初め欧米人の目には、大人も子どもと遊びに興じ、子どもが格段に大事にされる「子どもの天国」に映った。子どもと一線を引き、自我を確立し自らの力で道を切り拓くのが大人とする彼らは、子どもと大人の境が判然としない社会に驚いたようだ。ものづくりに完璧を期す日本人は、別の面でゆるさを認めてきた。

妖怪の源もアニミズムにあり、キャラクターへつながる。山や川、風の霊が邪意を抱けば災いをもたらす。自然は恐ろしく、畏まるもの。ここから妖怪が生まれる。「八岐大蛇」は氾濫を起こす川の象徴。スサノオの大蛇退治は治水工事の成功と言われる。大江山の「酒呑童子」。怨念によって人から鬼になった怪物を、源頼光と四天王が成敗する。鳥羽上皇を魅了する才色兼備の女性「玉藻前」は九尾の狐。討たれた後、毒を吐く殺生石とし呪い続け、那須野ヶ原を通った源翁和尚が霊を鎮めた。高僧は、表郷に常在院を開き、一連の物語が絵巻物として保存されている。

中世になると、捨てられた道具の霊が恨みをつのらせ人間に復讐する「つくも神」が出てくる。面白いことに道具に手足や顔がついている。段々キャラクターに近づいてきた。江戸を迎えると、世俗化し、娯楽の対象となった。読本や絵師によって新しい妖怪も創られた。河童、狐火、鎌鼬、ろくろ首、雪女、ぬっぺらぼうと多彩。やがて妖怪図鑑やかるたが売られ、四谷怪談のように、歌舞伎の演目になるものまで現れた。

だが西洋化の中で、キャラクターは片隅に追いやられた。しかし「ゲゲゲの鬼太郎」やアニメの隆盛で復活し、地域振興、国家商品の主役になりつつある。キャラクターに、安らぎをみる日本人の文化的DNAは揺るがない。行き過ぎた近代化を、抑止する役割を果たしているとも言える。

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