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市長の手控え帖 No.78 「市民会館にまつわること」

市長の手控え帖

白河駅周辺が大きく変わった。ほんのり化粧したような大正ロマン風の駅舎。情緒のある小さなカフェ。まわりと調和した交番。ゆったりした空間の交流広場。ひときわ目立つ大屋根の図書館は、県で最高の建築大賞を受けた秀作。利用者は3年ちょっとで100万人を超え、市の新しい顔となっている。

北には400年余り、白河の歴史を見つめてきた小峰城が鎮座する。地震でほとんどが崩落した石垣も、在来の手法で徐々に復元されている。前御門に通じる南面は奇麗な石の紋様に積み直された。三重櫓も近く修復され、桜の頃には登れるようになる。西には秀麗な那須の山なみが心をなごませてくれる。これら、歴史・文化・自然の溶けあった景観が、まちの魅力を高めたとして、昨年国の都市景観大賞に選ばれた。蓄積された歴史・伝統の素材に新しいものを重ね、価値を高める「まちづくり」が評価され嬉しく思う。

さらに、駅から新蔵方面に広くまっすぐな道が伸びる。小峰通りと呼ばれる街路は、イベントで賑わう集いの場ともなっている。通りから見る夕暮れ時のお城は、光に映え美しい。城のある風景は品があり、落ち着きを感じる。そして来年3月の完成を目指し、新市民会館の整備が進む。このホールが豊かな歴史文化と、すぐれた景観の形成に寄与することを期待したい。

現在の会館は老朽化し、地震のダメージも残る。でも当初は県内で有数の施設だった。完成は50年前、オリンピック開催の年。高校に進んだ翌年、ここで市川崑監督の「東京オリンピック」を見た。100mランナーの筋肉の躍動、女子バレーの汗のしたたり、苦行僧のような円谷幸吉の走り。この映像は、千を超える座席、広いステージ、高い天井を備えた「立派な会館」の印象とともに、心に刻まれている。

当時の白河は財政難に苦しんでいた。昭和24年、白河町と大沼村の合併で市制を敷く。ほどなく、小規模町村の合併を促す法律ができ、一挙に合併が進む。29年から翌年にかけ、白坂、小田川、五箇村に続き、関辺旗宿も加わった。表郷、東、大信村が誕生したのも同時期だった。時をおかず財政問題が表面化した。規模に比して職員が多い。税の収入率が80%に達しない。水道へ短期間に集中投資した。財政運営のまずさもあった。

市内部の要因のほか、地方財政全体の課題もあった。戦後、県や市の仕事は急速に増えたが、財源が伴わなかった。収入に占める税収の割合が低い。一定水準の行政に必要な資金を、国が配分する地方交付税の制度も不安定。さらにインフレを抑えるため、国は大幅な歳出削減を行い、補助金をカットする。全国で赤字団体が相次ぐ。白河は市になった以降、ほぼ赤字続き。特に30年には歳出額の4割もの赤字を出した。結局、自力再建は無理と判断。31年に「地方財政再建法」の適用を申請し、実質的に国の管理下に入った。

再建団体は、予算は国の承認を要し、鉛筆一本にも伺いをたてる、などの制約を受ける。一方、投資費用以外にも使え、国が利子を補給する有利な起債を発行できる。市は税収の45%にあたる約6千万を借り入れ、39年までの返済計画をたてた。その後、交付税が安定して入り、経済成長に伴い税収も増え、苦境を脱した。

会館は、財政再建のさなかに建てられたことになる。総工費1億3千万円。建設時の歳出の30%にのぼる。国の補助はなく、新たな借入と自己資金で賄わざるを得ない。支出を切りつめ、せっせと返済する。何とか健全化の兆しは見えてきたが、楽観できる状況にはない。この段階でよくぞ建設に踏みきったものだと思う。その勇断に敬意を表したい。あの頃日本はオリンピックに向け、青春の血が燃えるように、力強く進んでいた。夢と希望の時代だった。白河では財政の足枷をとき、未来へ飛翔する象徴が、市民会館だったのだろう。時折、執務室から眺めながら、先人の苦労に思いをはせる。

新会館は、国の認定を得た中心市街地活性化計画の主要な施設であり、一定の補助は見込めた。さらに幸いなことに、安倍内閣の経済対策の事業として認められ、追加の補助が決定。これも大きい。あれやこれやで、本体の5分の4以上が国の資金で対応できることになった。大地震直後に着手した文化交流館。小峰城とともに困難を乗り越え、雄々しく立ちあがる白河の希望としたい。

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