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市長の手控え帖 No.110 「森と妖精とオーロラの国」

市長の手控え帳

 

 大学入試センター試験で、地理の設問にムーミンが登場し話題になった。ムーミンの舞台はフィンランドかノルウェーか。低平地に森林と湖沼が広がる画像からフィンランドを正解とした。ノルウェーにも同じ風景があるので、設問に問題があるとの意見もあり議論となった。

 フィンランド。日本より少し小さい面積に、人口はわずか550万人。全土が北緯60度以北に位置し、そのうち4分の1が北極圏。首都ヘルシンキはじめ主要な都市は南部にある。国土の大半は平坦な地形で7割が森林。その中に湖沼が無数に点在する。漫画やアニメで人気者となったムーミン。その一家が暮らす谷も、森の中にあると人々は信じている。

 また、子供たちの憧れのサンタクロースも、極北の地に、小さな妖精と一緒に住んでいるといわれる。そして夜空を赤・緑・青色で彩るオーロラ。フィンランドは森と湖と妖精とオーロラの国だ。

 17年ほど前の2月初旬、オーロラツアーに参加した。この年は太陽の活動が活発になりオーロラが出やすいという。だが説明会では、不運にして遇えないこともあるとのこと。自然現象だから仕方ないと思う一方、はるばる行って遇えなかったら悔いが残るだろうとも思った。希望が叶うことを願い、ヘルシンキを経て北極圏のまちロヴァニエミに飛んだ。

 氷点下40~50度。分厚いセーターに靴下、帽子に防寒着と完全装備。目的は夜の遅い時間。昼は特段することもない。トナカイのそりに乗ったり、きれいな町を散策したり、サンタクロース村の郵便局から手紙を出したり。

 オーロラはどこに出るか分からない。旅行会社は、各地に情報提供者をおく。「あそこに出ているぞ」。期待を乗せバスが向かう。残念、オーロラは姿を消していた。次の夜も空振り。諦め顔で食事をしていると、「出ました」と添乗員の上ずった声。皆一斉に飛び出す。お待ち遠様というように、緑色の光がゆらめいている。広がったかと思うとすうっと消えていく。ほどなく、引いた波が押し寄せるように空を覆っていく。

 恋人に出逢えた満足さで眠りにつこうとしたら、廊下から「出たぞ」の歓声。着替えもそこそこにかけだす。見上げた空には、赤・緑の光のカーテンショー。神秘的で幻想的な美しさに息を飲んだ。

 夕食時、赤ら顔の年輩の男性が話しかけてきた。『日本人か』。「そうです」。『フィンランドと日本は敗戦国だったな。今度は勝とうぜ』と私の肩に手を回し上機嫌。フィンランドが敗戦国?負けたのは日・独・伊のはずだが。調べると確かにそうだった。フィンランドは、19世紀初めからロシアの支配下にあったが、ロシア革命の混乱に乗じて独立した。

 だが、長い国境を接する大国は脅威。第二次大戦が始まるとソ連が侵攻。激しく抵抗したが国土の10分の1を譲り渡した。その後、防衛に備えて英仏を頼ったが相手にされず、やむなくドイツに接近。ともにソ連と戦ったが敗北。

 バルト三国はソ連に併合され、東欧は社会主義化されたが、幸い自由主義政体と資本主義経済を維持できた。しかしソ連の干渉を防ぐため、政府も民間も対ソ批判をタブーとした。独立を維持するため、血のにじむ苦労をした。

 ソ連への賠償金の支払いを工業製品で行ったことで、経済力をつけた。冷戦が終わり、ソ連が崩壊。不自由さから解放されたが、経済的には苦境に直面した。そこで直ちに欧州連合と連携。国をあげて情報通信産業に力を入れ、IT分野で世界を牽引するまでになる。

 今や生産性、社会保障、教育で世界トップクラスにある。歴史に翻弄された北欧の小国は、強かに生き抜いている。

 

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