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蝉谷めぐ実さん中山義秀文学賞最年少受賞・記念講演

 白河市出身の芥川賞作家中山義秀を顕彰し、優れた歴史・時代小説に贈られる第27回中山義秀文学賞贈呈式が、4月17日(日曜日)、白河市の新白信ビルイベントホールで開催され、蝉谷めぐ実さんに、中山義秀顕彰会会長の鈴木和夫白河市長より、正賞と副賞100万円、白河産コシヒカリ1俵、白河だるまが手渡されました。

 筒井孝充市議会議長より祝辞をいただき、第17回受賞者で公開選考会選考委員の作家・澤田瞳子さんより選評報告があり花束が贈られました。澤田さんから「選考会で指摘した作品の欠点を反省、次作「おんなの女房」に反映しており、素晴らしい」との賞賛がありました。澤田さんに代わり最年少での受賞者となった蝉谷さんからは、「中山義秀文学賞を新しい誇りにして、これからも色々と小説を書いていければと思う」とのあいさつがありました。

 続いて、蝉谷さんが「極上上吉を目指した役者たち〜江戸時代の役者評判記について」と題して記念講演を行ないました。

 自分は妖怪好きで役者に夢中になる人間であったことから、鬼探しの妖怪小説を書くことになった。江戸時代の歌舞伎役者の評価は外見から芸へ発展していった。役者は現代のアイドル的存在で、役割番付では役者の衣装・家紋・配役・格付などを載せトラブルにならないように細心の注意がはらわれた。推し場面のある絵本番付は現代のプログラム、役者絵はブロマイドであり子女も楽しめるようになり庶民化していった。役者評判記の中では若衆歌舞伎や遊女歌舞伎は人気があったが庶民が夢中になり過ぎたため幕府に禁止された。一般的評判記では役者の地位が顔から演技批評へ発展し公平性のための良悪両面での批評や格付の細分化がされた。役者は人気取り世間に認められなければならなかった、芸にかける執念はものすごいものがあり評判記では上、上々、上上吉と上を目指したことなどを当時の役者評判記の映像を見ながら解説されました。

 また、時代小説を書くには、江戸の空気感を知るため、落語や庶民生活の本、役者評判記が役立つこと、現在大学の事務職員として小説以外でも評価されることにほっとするなどのお話もありました。受賞したことで最初恐いと思った講演会も経験でき、役者が上を求める執念をこれからも書きつづけてもよいと認められた心地がしている、役者の業、執念を自分なりに「化けもの」のごとく執筆してみたいと思う、これからもご贔屓に願いますと締めくくられました。

 江戸時代の歌舞伎の興味深いお話に来場者は聞き入っていました。

27文学賞贈呈式2      27文学賞講演会2

         生誕の地白河市大信産のコシヒカリの贈呈               受賞者あいさつ

26贈呈式 27文学賞講演会

澤田選考委員から花束贈呈                    講演する蝉谷さん

27文学賞贈呈式4

サイン会の様子

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは中山義秀記念文学館です。

〒969-0309 福島県白河市大信町屋沢田25

電話番号:0248-46-3614 ファックス番号:0248-46-3702

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