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周防柳さん中山義秀文学賞受賞記念講演

 白河市出身の芥川賞作家中山義秀を顕彰し、すぐれた歴史・時代小説に贈られる第28回中山義秀文学賞贈呈式が、2月5日(日)、白河市の新白信ビルイベントホールで開催されました。贈呈式では、中山義秀顕彰会会長の鈴木和夫白河市長より、正賞と副賞の百万円、白河産コシヒカリ一俵、白河だるまが周防柳さんに手渡されました。

 筒井孝充市議会議長より祝辞をいただき、第20回の文学賞受賞者で最終選考委員の作家伊藤潤さんより選評報告・講評がありました。その後、伊東さんより周防さんに花束が贈られました。

 伊東さんからは、「小倉百人一首の誕生物語として楽しく読め、この歌集がどのような経緯と理由で編まれたのかが、作者の独自の解釈も踏まえてわかってくるという展開がよい。百人一首の順番に目をつけた着想も素晴らしい。文章にリズムがあり心地よい」などのお話がありました。

 続いて、受賞者の周防さんが「定家殿との三年間-『身もこがれつつ』の執筆思い出」と題して記念講演をおこないました。

 自分は作家になる前に、20年間ライター、編集者として仕事をしてきましたが、原稿の締め切り期限は守るということを信念としてきました。今回の作品の企画が決定した後に怪我をして執筆できなくなってしまいました。その書けない時期が本当に辛かった。そのような思い出があったので、文学賞を受賞できて感謝しています。本当に嬉しい。 学生時代には、古文が得意で百人一首のテストで満点を取っていました。その頃から定家には良いイメージがありました。(仕事で)紀貫之の新古今和歌集に関する作品を書いた後に、書きたいテーマの一つが藤原の定家でした。この作品の時代背景は平安末から鎌倉時代初期の頃です。百人一首は日本人にとって身近なものであり、大事なものでもあります。千年経っても残ったものですので。
 百人一首は、短冊に書いた和歌を襖に貼っていたものをはがしてつくりました。そのはがす順番がいろいろ考えられ、百人一首の和歌の順番にいくつかもの説が出てくるようになりました。百人一首は定家が74歳の時につくられたものですが、定家にとっては生涯最後の仕事と覚悟し、これだけは何としても完成させるという熱のこもった作品でした。私もこの作品を執筆しながら定家の思いに共感し、また定家から力をもらって書きました。
 定家、家隆、後鳥羽上皇の三角関係は私の想像です。この作品はエンターテインメントとして書いたものであり、歴史的には間違っているかもしれませんが、真実を追求するのは学者の仕事だと思います。

ということで、周防さんの講演は締めくくられました。

周防文学賞           周防文学賞2

       生誕の地白河市大信産のコシヒカリ贈呈                  白河だるまの贈呈

周防文学賞3           周防文学賞4

          伊東潤選考委員から花束贈呈                    講演する周防さん

周防文学賞5              周防文学賞6

          受賞作当選者へのサイン本贈呈                 サイン会の様子

 

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは中山義秀記念文学館です。

〒969-0309 福島県白河市大信町屋沢田25

電話番号:0248-46-3614 ファックス番号:0248-46-3702

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