松風亭蘿月庵【しょうふうていらげつあん】(附)「蘿月」の書がある水盥、「垂桜」の書がある掛軸
全体写真(北から)
「垂桜」の掛軸
「蘿月」の水盥
指定種別 | 県指定 重要文化財(建造物) |
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指定年月日 | 平成6年3月31日 |
所在地 | 白河市菅生舘 |
所有者 | 南湖神社 |
大きさ | 桁行6.07m 梁間2.96m 面積22.44m2 |
松風亭蘿月庵は寛政年間(1789~1801)松平定信の家臣三輪権右衛門(待月)が茶人であった父長尾仙鼠(せんそ)のために建立したものである。もとは城下南西の九番町にあったのを、松平家が桑名移封の際に、中町常盤家が譲り受け、邸内に移した後、一時は西白河郡役所の所有に帰したが、大正12年郡制廃止により南湖神社に寄贈され、大正13年(1924)5月現在地に移築された。
現況は、東向きの妻入りで桁行(けたゆき)3間余(5.64m)梁間(はりま)1間半余(2.92m)の寄棟造り、茅葺きとなっている。二畳台目の使用などいわゆる道安好みを基調としている。
定信はこの茶室を好んでたびたび使ったらしく、享和2年(1802)8月のある日「水盥」(みずたらい)に「蘿月(蔦の葉の間に見える月)」の二字を書き、その裏面には「壬戌(じんじゅつ)秋八月 ここに来りてこれを書すことに蚯蚓(みみず)の如し 人の笑はんことを そこの月 たが笑ふともおけやおけ 定信」と書いたので、この茶室を「蘿月」庵と名付けられた。
「垂桜」の掛軸は、寛政7年(1795)2月23日に定信が茶筅で書いたものといわれている。
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