天王山遺跡出土品【てんのうやまいせきしゅつどひん】
天王山遺跡出土品(弥生土器)
天王山遺跡出土品(石器、土器等)
1.国指定重要文化財
指定種別 | 国指定 重要文化財 |
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指定年月日 |
令和6年8月27日 |
所在地 | 白河市中田(白河市歴史民俗資料館保管) |
所有者 |
白河市 |
指定内容 |
(1)昭和25年出土品 (2)平成28年~30年度出土品 |
天王山遺跡は、阿武隈川左岸の独立丘陵頂上部に立地する、弥生時代後期前半の集落跡である。昭和25年(1950)に、開墾作業により大量の土器が出土したことで遺跡の存在が明らかとなり、同年2度にわたり発掘調査が行われた。
この時の調査で、多くの土器と共に石器(アメリカ式石鏃・石鏃・環状石斧・磨石剥片など)、石製品(管玉)、土製品(紡錘車)、植物遺物(炭化したコメ・クリ・クルミ、樹皮)が出土した。
その中でも土器は、当時他に類例をみない特徴を有していたことから、東北大学の伊東信雄氏により「天王山式土器」と命名され、学会の注目を集めた。
土器は、壺形土器、甕形土器、高杯、脚台付土器などがあり、壺形土器の一部には注口や片口が付く。地文は縄文で、縦走・横走する例が多く、平行沈線間の帯状部に上下交互に刺突を加える交互刺突文を、主に口縁部や文様帯の区画に用いる。胴部文様は、沈線による連弧文が多く、ほかに菱形文や変形工字文などがあり、磨消縄文の手法も多数用いられるのが特徴である。
なお、天王山式土器はこれまでの研究成果から、弥生時代後期前半に位置づけられ、主に東北地方や北陸地方に分布することが知られている。
平成28年~30年にかけては、遺跡の史跡指定に向けて再調査が実施されたが、昭和25年の調査と同様な遺物が出土している。
天王山遺跡出土品は、器種・数量も豊富で遺存状態も良好であり、東北地方における弥生時代後期前半の特徴をよく示す優れた基準資料であると共に、弥生時代の研究史上重要であり、高い学術的価値を有するとの評価を受け、国指定重要文化財に指定された。
交互刺突文
連弧文
2.県指定重要文化財
指定種別 | 県指定 重要文化財 |
---|---|
指定年月日 |
平成17年4月15日 |
所在地 | 白河市中田(白河市歴史民俗資料館保管) |
所有者 |
白河市 |
出土品のうち植物遺物(炭化したコメ・クリ・クルミ、樹皮)は、当時の生業や食生活などを考える上で重要な資料であり、福島県指定重要文化財に指定されている。
炭化米
炭化クリ
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メールでのお問い合わせはこちら- 2024年12月4日
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